「もう限界です。寝たきりの親の介護が辛すぎて、自分が倒れそう」「24時間気の休まる時がない。これ以上続けるのは無理かもしれません」「家族だけで寝たきりの介護をするのは本当に可能なのでしょうか」
寝たきりの家族を在宅で介護している方から、このような切実な声をよく聞きます。実際に、寝たきり状態の方を在宅で介護することは、想像以上に大きな負担を伴います。介護者の約8割が「身体的・精神的な限界を感じている」という調査結果もあり、「無理」と感じるのは決して珍しいことではありません。
大切なことは、「無理」と感じた時に一人で抱え込まず、適切な対処法を知って実行することです。現代の介護は、家族だけで全てを背負う時代ではありません。様々なサービスや支援制度を活用し、無理のない範囲で継続可能な介護スタイルを見つけることが重要なのです。
この記事では、寝たきりの在宅介護で無理を感じる原因から、具体的な解決策、そして利用できる支援制度まで詳しく解説します。一人で悩まず、健全な介護への道筋を見つけていきましょう。
寝たきりの在宅介護で無理を感じる主な原因

24時間体制のケアが身体に与える深刻な負担
寝たきりの在宅介護が「無理」と感じる最大の原因は、24時間体制での重度なケアが必要になることです。食事介助、排泄ケア、入浴介助、体位変換、褥瘡(床ずれ)予防など、これらのケアは昼夜を問わず継続的に必要になります。
特に夜間の見守りや体位変換は、介護者の睡眠を深刻に妨げます。2~3時間おきに起きて体位を変える必要があるため、まとまった睡眠が取れずに慢性的な睡眠不足に陥りがちです。さらに、重い身体を支えたり移動させたりすることで、腰痛や関節痛に悩まされる介護者も少なくありません。
実際に、寝たきりの方を在宅介護している家族の多くが、自身の体調不良を抱えながら介護を続けているという現実があります。このような身体的負担の蓄積は、最終的に介護者自身が倒れてしまうリスクを高めているのです。
精神的孤立と介護うつのリスク
寝たきりの在宅介護では、身体的負担だけでなく精神的なストレスも深刻な問題となります。常に気を張り続ける緊張状態、外出の制限による社会的孤立、そして「いつまで続くのか分からない」という不安感が、介護者の心を追い詰めていきます。
特に一人で介護を担っている場合、相談相手がいないことで孤独感が増大します。「誰も私の大変さを理解してくれない」「自分だけが頑張っている」という思いが強くなり、精神的に追い込まれてしまうケースが多く見られます。
このような状況が続くと、介護うつに陥るリスクが高まります。食欲不振、不眠、無気力感、絶望感などの症状が現れ、最悪の場合は共倒れという深刻な事態に発展する可能性もあるのです。
経済的圧迫と社会的な制約の増加
寝たきりの在宅介護は、経済面でも大きな負担をもたらします。介護用品の購入費、住宅のバリアフリー改修費、医療費など、様々な出費が重なります。さらに、介護のために仕事を辞めざるを得なくなったり、勤務時間を大幅に減らしたりすることで、収入が減少するケースも少なくありません。
また、介護中心の生活になることで、友人との付き合いや趣味の時間、自分自身のための時間が極端に減少します。この社会的な制約は、介護者の生活の質を大きく低下させ、「自分の人生はどうなってしまうのか」という不安を生み出します。
こうした経済的・社会的な制約が重なることで、「この生活をいつまで続けられるのか」「もう無理かもしれない」という思いが強くなってしまうのです。
寝たきり在宅介護の無理を解消する具体的対策

訪問介護サービスとレスパイトケアの効果的活用
寝たきりの在宅介護で無理を感じた時、最も効果的な対策の一つが訪問介護サービスの活用です。プロの介護スタッフが自宅に来て、身体介護や生活援助を行ってくれるため、家族の負担を大幅に軽減することができます。
特に入浴介助については、訪問入浴サービスを利用することで、専用の浴槽を持参してプロが安全に入浴を介助してくれます。家族だけでは困難な入浴ケアを任せることで、身体的負担と精神的ストレスの両方を軽減できるでしょう。
また、レスパイトケア(介護者の休息支援)も積極的に活用しましょう。ショートステイサービスを利用すれば、数日間から1週間程度、専門施設で一時的にケアを受けることができます。この間に介護者は十分な休息を取り、リフレッシュすることで、再び介護に向き合う気力を回復することができます。
家族間の役割分担と協力体制の構築
一人で全ての介護を背負い込まず、家族間での役割分担を明確にすることも重要です。兄弟姉妹がいる場合は、介護の分担だけでなく経済的な支援についても話し合いましょう。必ずしも全員が身体的なケアを担う必要はありません。
効果的な家族協力の例:
- 平日の介護は長男、週末は次男が担当
- 身体介護は一人が担当し、その他の家族は経済的支援
- 夜間の見守りを交代制にする
- 病院の付き添いや手続きを分担する
家族会議を開いて現状を共有し、それぞれができる範囲での協力体制を築くことで、一人あたりの負担を大幅に軽減することができます。遠方に住んでいる家族でも、定期的な費用負担や情報収集など、できる形での協力は可能です。
ケアマネジャーとの連携で負担を軽減する方法
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、寝たきりの在宅介護を支える重要なパートナーです。現在の介護状況や困りごとを詳しく相談することで、最適な介護プランを提案してもらえます。
ケアマネジャーは、利用者の状態や家族の状況に応じて様々なサービスを組み合わせたケアプランを作成します。例えば、平日は訪問介護を利用し、週に1回は訪問入浴、月に数日はショートステイを利用するといった具合に、家族の負担を最小限に抑えながら必要なケアを提供する計画を立ててくれます。
また、介護度の変更申請や各種手続きのサポート、新しいサービスの情報提供なども行ってくれるため、介護者が一人で情報収集や手続きに追われることなく、安心して介護に専念できる環境を整えることができます。
寝たきり在宅介護が無理な時の選択肢と支援制度

施設入所を検討するタイミングと手続き
「在宅介護は無理」と判断した場合、施設入所も現実的で適切な選択肢です。特に要介護度4~5の寝たきり状態の方は、特別養護老人ホーム(特養)への入所対象となります。
施設入所を検討すべきタイミングとしては、介護者が体調を崩した時、介護うつの症状が現れた時、家族関係が悪化した時などが挙げられます。「施設に入れるのは親不孝」という考えにとらわれず、本人と家族双方の安全と健康を最優先に考えることが大切です。
入所手続きについては、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すれば、適切な施設の紹介や申込み手続きのサポートを受けることができます。特養は入所待ちが長い場合もあるため、早めの申込みと並行して、有料老人ホームなど他の選択肢も検討しておくと良いでしょう。
経済的負担を軽減する助成金と控除制度
寝たきりの在宅介護には多くの費用がかかりますが、様々な助成金や控除制度を活用することで経済的負担を軽減できます。
利用できる主な制度:
- 高額介護サービス費:月額自己負担上限を超えた分の払い戻し
- 高額医療・高額介護合算療養費:医療費と介護費の合計が高額になった場合の還付
- 障害者控除:寝たきり状態の方は障害者控除の対象となる可能性
- 医療費控除:介護に関連する医療費も控除対象
- 住宅改修費:バリアフリー改修に対する補助金
また、多くの自治体では家族介護慰労金(年額10~12万円程度)や介護用品の支給・貸与なども行っています。これらの制度は申請しなければ利用できないため、ケアマネジャーや市区町村の窓口で詳しい情報を確認し、積極的に活用しましょう。
地域包括支援センターの活用と専門家相談
地域包括支援センターは、高齢者の介護に関する総合的な相談窓口です。寝たきりの在宅介護で困った時は、迷わずこちらに相談しましょう。保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が、様々な角度から問題解決のサポートをしてくれます。
センターでは、介護保険サービスの利用方法、各種手続きの案内、家族の心理的サポート、他の専門機関との連携など、幅広い支援を無料で受けることができます。また、同じような悩みを抱える介護者同士の交流の場を提供している場合もあり、孤立感の解消にも役立ちます。
一人で抱え込んで限界を感じる前に、まずは地域包括支援センターに相談することで、今まで知らなかった解決策や支援制度を知ることができるかもしれません。専門家の視点から現状を整理してもらい、無理のない介護プランを一緒に考えてもらいましょう。
まとめ

寝たきりの在宅介護で「無理」と感じるのは、決して弱さや愛情不足のせいではありません。それは、非常に大きな負担を一人で背負っているからこその自然な反応です。
重要なのは、その「無理」というサインを無視せず、適切な対処を行うことです。訪問介護サービスやレスパイトケアの活用、家族間での役割分担、ケアマネジャーとの連携など、様々な方法で負担を軽減することができます。
また、在宅介護の継続が困難な場合は、施設入所も立派な選択肢です。各種助成金や控除制度を活用すれば、経済的な負担も軽減できます。
最も大切なことは、一人で抱え込まないことです。地域包括支援センターやケアマネジャーなどの専門家に相談し、利用できる制度やサービスを最大限活用しながら、無理のない介護を続けていきましょう。
あなたの健康と幸せも、大切な家族の一部です。無理をせず、適切なサポートを受けながら、持続可能な介護のスタイルを見つけてください。専門家は、そのお手伝いをするために存在しているのです。
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