年1回の資格確認調査で発覚するリスク

もし何らかの理由で、仕送り証明なしの状態で扶養に入れたとしても、年1回の被扶養者資格確認調査で発覚するリスクが非常に高いです。
健康保険組合や協会けんぽは、毎年秋頃に被扶養者資格の確認調査を実施します。この調査では、「被扶養者現況申立書」などの書類が送付され、以下の情報を申告するよう求められます。
・被扶養者の現在の住所
・被扶養者の収入状況
・別居の場合の仕送り額
・仕送り証明書類(直近3~6か月分)
この調査で仕送り証明を提出できない場合、または仕送りの実態がないことが判明した場合、扶養資格を失うことになります。
調査の結果、仕送りの実態がないと判断されれば、扶養から外されるだけでなく、過去にさかのぼって扶養資格を失う可能性もあります。
過去にさかのぼる扶養取り消しと返還請求

仕送り証明なしで扶養に入っていたことが調査で判明した場合、最も深刻なのは過去にさかのぼって扶養が取り消されることです。
扶養の取り消しは、仕送りの実態がなかった時点、または扶養条件を満たさなくなった時点にさかのぼって行われます。例えば、2年前から仕送りを手渡しのみで行っており証明がなかった場合、2年前の時点にさかのぼって扶養が取り消されることがあります。
さかのぼり取り消しの影響:
1. 医療費の返還請求:扶養であった期間中に親が医療機関を受診した場合、保険組合が負担した医療費(7割分)の返還を求められることがあります。数年分の医療費となると、数十万円から場合によっては百万円を超える金額になることもあります。
2. 扶養控除の否認:税法上の扶養控除も同時に否認され、過去の所得税・住民税について追徴課税を受ける可能性があります。
3. 親の保険料負担:親は扶養から外れた時点にさかのぼって、国民健康保険に加入し直す必要があり、その期間の保険料を支払わなければなりません。
このように、仕送り証明なしで扶養に入ることは、非常に大きな経済的リスクを伴います。
【扶養の手続き、このままで大丈夫か不安ではありませんか?】
仕送り証明なしの状態から証明を準備する方法
では、現在仕送り証明なしの状態で仕送りをしている場合、どのように対応すべきでしょうか。証明を準備する具体的な方法をご紹介します。
今から証明可能な仕送り方法への切り替え

現在手渡しで仕送りをしている方は、今すぐ銀行振込または現金書留に切り替えることをおすすめします。
銀行振込への切り替え手順:
1. 親の銀行口座を確認:親が持っている銀行口座の口座番号を確認します。口座を持っていない場合は、新規に開設します。
2. 自分の銀行から振込:ATMまたはネットバンキングから、毎月定期的に振込を行います。
3. 振込記録を保管:通帳に記帳するか、ネットバンキングの取引履歴を定期的に保存します。
4. 継続的に実施:最低でも3か月、できれば6か月分の振込実績を作ります。
現金書留への切り替え手順:
銀行口座を持っていない、または使いたくない親の場合は、現金書留を利用します。
1. 郵便局で現金書留用の封筒を購入:郵便局で専用封筒を購入します(約20円)。
2. 現金を封入して差し出し:送りたい金額を封筒に入れ、郵便局の窓口で差し出します。
3. 控えを保管:郵便局で発行される控え(受領証)を必ず保管します。
4. 毎月継続:銀行振込と同様、継続的に送金し、記録を残します。
過去の手渡し仕送りをどう説明するか

「今まで何年も手渡しで仕送りしてきたのに、今から振込に変えたら不自然に見えるのでは?」と心配する方もいるでしょう。
実は、過去の手渡し仕送りについて詳しく説明する必要はありません。扶養申請や資格確認調査で求められるのは、「現在、仕送りの実態があるか」であり、過去の仕送り方法を詳細に報告する義務はないのです。
もし健康保険組合から「以前はどのように仕送りしていたのですか?」と聞かれた場合は、以下のように説明できます。
「以前は直接訪問して生活費を渡していましたが、扶養申請のためには証明が必要と知り、銀行振込に変更しました。」
このように、方法を変更した理由を正直に説明すれば問題ありません。多くの健康保険組合は、証明可能な方法に切り替えたことを評価し、現在の仕送り実績に基づいて扶養を認定します。
証明書類を揃えるまでの適切な期間

銀行振込または現金書留に切り替えた後、最低3か月、できれば6か月分の送金実績を作ってから扶養申請をすることをおすすめします。
健康保険組合が仕送り証明として求める期間は通常3か月分ですが、より確実な証明のためには6か月分あると安心です。また、継続的・定期的に送金している実態を示すことが重要なので、毎月ほぼ同じ時期に同額を送金することが望ましいです。
証明書類準備のスケジュール例:
1か月目:銀行振込に切り替え、初回送金
2か月目:2回目の送金
3か月目:3回目の送金
4か月目:4回目の送金(この時点で3か月分の実績完成)
扶養申請:直近3か月分の通帳コピーを準備して申請
証明書類準備のポイント
・最低3か月、推奨6か月の送金実績を作る
・毎月ほぼ同じ時期に送金する(例:毎月10日頃)
・毎回ほぼ同額を送金する(大きな変動を避ける)
・送金記録を都度保管・整理する
・親の収入を上回る金額を送金する
急いで扶養に入れたい場合でも、最低3か月は待つことを強くおすすめします。1~2か月分の実績だけでは「継続的な仕送り」とは認められにくく、却下される可能性が高いためです。

扶養の手続きや仕送り証明について不安がある場合は、勤務先の人事部や健康保険組合に事前に相談するのもおすすめです。具体的にどのような書類が必要か、どれくらいの期間の実績が必要かを確認できますよ。
別居の親への仕送りと証明書類:まとめ
別居している親を社会保険の扶養に入れるためには、仕送り証明なしでは基本的に認められません。手渡しの仕送りは、第三者機関による記録が残らないため、証明なしと同じ扱いになります。
仕送り証明として認められるのは、銀行振込の通帳コピー、ATM利用明細書、現金書留の控えなど、金融機関または郵便局が発行した送金記録に限られます。親が作成した受領書や、手書きの送金メモなどの私製書類は証明として認められません。
仕送り証明なしで扶養申請をした場合、申請の時点で却下されます。また、何らかの理由で扶養に入れたとしても、年1回の資格確認調査で発覚し、過去にさかのぼって扶養が取り消される可能性があります。その場合、医療費の返還請求や追徴課税など、大きな経済的負担が発生するリスクがあります。
税法上の扶養控除については、年末調整時に証明書類の提出は不要ですが、税務調査が入った際に証明を求められる可能性があります。その時に証明できないと、扶養控除が否認され追徴課税を受けることになるため、社会保険の扶養と同様に、証明可能な方法で仕送りを行うことが重要です。
扶養制度は、本当に生計を支えている家族を経済的に支援するための制度です。仕送り証明は、その実態を客観的に示すために必要不可欠なものです。適切な方法で仕送りを行い、必要な証明書類を準備することで、安心して扶養制度を利用しましょう。
親を大切に思い、経済的に支えたいという気持ちを、適切な形で実現するために、正しい手続きと証明書類の準備を心がけましょう。
さいごに。介護の悩みが消えないあなたへ
この記事を読んでも、こんな不安は残っていませんか?
実は、多くの介護家族が同じ悩みを抱えています。
そこに足りないのは「今後どのように行動していくべきか」というあなた自身の判断軸です。
このまま何も変えなければ
介護の判断軸がないままでは、
状況が変わるたびに迷い、
そのたびに自分を責め続けることになります。
「もっと早く考えておけばよかった」
そう思う人を、私たちは何人も見てきました。
毎日3分で「介護の判断軸」を育てる無料メルマガを発信しています。

そこでココマモでは、毎日3分で読める「介護の判断軸」となる知識が学べる無料メールマガジンを発信しています。
具体的には、
さらに、登録した方だけが読める
- メルマガ会員限定記事(介護の決断に特化した深堀りコンテンツ)
にもアクセスできます。
介護の決断を、自分でできるようになるために
介護に「正解」はありません。
だからこそ、最後に自分で納得して選べるかどうかが一番大事です。
そのための小さな一歩として、
まずはメルマガで「判断軸」を一緒に育てていきませんか?
下記フォーム入力後、メールボックスに1通目が届きます。
• メールの最後に必ず解除リンクを記載していますので、いつでもワンクリックで停止できます。
• ご入力いただいた情報は プライバシーポリシーに基づき厳重に管理しています。
• ※Yahoo・iCloudメールは届きにくい場合があります。Gmailまたは携帯メールのご利用を推奨しています。


