「さっき言ったばかりなのに、また同じこと聞いてる」「今日も財布が行方不明」
親の介護をしていると、誰もが一度は経験する「あるある」な出来事。泣くしかない状況も、同じ体験をしている人がいると知れば少し笑えてきませんか。
この記事では、親の介護で起こる「あるあるエピソード」を厳選して10個集めました。「わかる!」と共感しながら、時には笑い飛ばして、明日からの介護を少し楽に感じていただければ幸いです。
親の介護あるあるエピソード【日常編】
親の介護の日常は、予想もつかない出来事の連続です。でもそれは、あなただけじゃありません。
同じ話を何度も聞かされる毎日の繰り返し

「今日は何曜日?」朝から晩まで10回は聞かれる定番の質問。
優しく答えても5分後にはまた「今日は何曜日?」。カレンダーを見せても、時計を教えても、また聞いてくる。
昔の自慢話も何度も聞かされます。「昔はこんなに頑張った」「あの時はこうだった」同じオチまで完璧に覚えてしまうほど。
でも実はこれ、本人も不安だから確認したいだけなんです。何度でも答えてあげることが、親の安心につながっているのかもしれません。
探し物騒動で一日が終わることもある

「財布がない!」「メガネがない!」「入れ歯がない!」
毎日何かが行方不明になる探し物騒動。冷蔵庫の中から財布が出てくるなんて珍事件も日常茶飯事です。
メガネは頭の上、入れ歯はポケットの中。「盗まれた」と騒いでいたものが、枕の下から出てくることもあります。
一緒に探してあげても「あんたが隠したんでしょ」と疑われることも。でも見つかると「あら、ここにあったわ」とケロッとしている姿に脱力します。
探し物あるある10選
1. 財布が冷蔵庫の野菜室から発見される
2. メガネをかけたまま「メガネがない」
3. 入れ歯がポケットに入ったまま探し回る
4. テレビのリモコンがトイレにある
5. 大事にしまった通帳が新聞紙の間
6. 保険証がティッシュ箱の中
7. 鍵がゴミ箱に捨てられている
8. 携帯電話が冷凍庫で凍っている
9. 補聴器が洗濯機で回っている
10. 薬が花瓶の中に隠されている
デイサービスの送り出しは毎回プロレス状態

「今日は行かない」「体調が悪い」「用事がある」
デイサービスの朝は毎回同じ言い訳との戦いです。前日まで楽しみにしていたのに、当日の朝になると急に拒否モード全開。
「友達が待ってるよ」「今日はカラオケだよ」と誘っても効果なし。最後は「お願いだから行って」と懇願することになります。
でも帰ってくると「楽しかった」と笑顔。「明日も行く?」と聞くと「もちろん」と答えるのに、翌朝はまた同じ攻防戦の繰り返しです。

拒否は「自分でコントロールしたい」という気持ちの表れ。無理強いせず、選択肢を与えながら誘導すると案外うまくいきますよ。
親の介護あるある【家族・人間関係編】
介護は家族関係の試練でもあります。思わぬところで人間関係の本質が見えてくることも。
兄弟姉妹の温度差に悩まされる現実

「仕事が忙しいから」「遠いから」「子どもが小さいから」
兄弟姉妹はいるのに、介護は自分一人という状況。言い訳は山ほどあるけど、結局動かないのが現実です。
たまに顔を出すと「もっとこうしたら」と口だけは達者。お金も出さないのに意見だけは一人前という不思議な現象が起きます。
「親の面倒は長男(長女)の役目でしょ」という昭和の価値観を押し付けてくる。でも遺産の話になると急に積極的になるのも、悲しいあるあるです。
周囲の「頑張って」が逆にプレッシャー

「偉いね」「頑張ってるね」「親孝行だね」
善意の励ましが、なぜか心に突き刺さる瞬間があります。もう十分頑張ってるのに、まだ頑張れと言われている気がしてしまうのです。
「大変でしょう」と同情されても、「じゃあ手伝って」とは言えない。結局他人事として見られていることがわかって、余計に孤独を感じます。
一番辛いのは「私なら施設に入れちゃう」という無責任な意見。簡単に言うけど、その決断がどれだけ重いか知らないから言えるんだと思ってしまいます。
介護してない親戚ほど口を出してくる法則

年に一度しか会わない親戚に限って、介護方針に口を出してくる不思議。
「もっと良い病院があるらしい」「この薬が効くらしい」「らしい」情報ばかり押し付けてきます。
法事で久しぶりに会うと「痩せたんじゃない?」「もっと食べさせないと」と、日々の苦労を知らずに批判。でも介護を代わってくれるわけではありません。
「昔はお世話になったから」と恩着せがましく言うけど、今は何もしない。思い出話で介護はできないことを理解してほしいものです。
親の介護あるある【心と体の変化編】
介護が長期化すると、自分自身の変化にも気づきます。それもまた、多くの人が経験する「あるある」です。
自分の体調不良を我慢する癖がついてしまう

腰が痛い、頭が痛い、熱っぽい。でも「親の方が大変だから」と我慢してしまう。
病院に行く時間があったら親の世話をしなきゃ。自分が倒れたら誰が介護するの。そんな思いで、体の不調を見て見ぬふりします。
歯医者の予約も何度もキャンセル。美容院なんて何ヶ月も行けていない。自分のメンテナンスは全て後回しになってしまいます。
気がつけば親より老けて見える自分。鏡を見て愕然とすることもありますが、それでも止まれない日々が続きます。
友人との話題が介護ネタばかりになる

久しぶりに友人と会っても、気がつけば介護の話ばかり。他に話すことがない自分に驚きます。
「昨日はこんなことがあって」と介護エピソードを話し始めると止まらない。相手が引いているのに気づいても、他に話題が見つかりません。
テレビも介護番組ばかりチェック。本屋では介護コーナーに直行。趣味も興味も全て介護に侵食されている状態です。
「私、介護の話しかしてない」と自己嫌悪に陥ることも。でも介護仲間と話すと止まらなくなるのは、共感してもらえる喜びがあるからでしょう。
親より先に倒れそうになる瞬間

「私の方が先に逝きそう」冗談のように言うけど、本気で思う瞬間があります。
夜中のトイレ介助で起こされ、朝まで眠れない。昼間はウトウトするけど、また呼ばれて起きる。慢性的な睡眠不足で思考力も低下します。
食事を作っても自分は立ったまま適当に済ませる。ゆっくり座って食べる時間もない。栄養バランスなんて考える余裕はありません。
階段を上るのも息切れ、重い物を持つと腰に激痛。でも親は元気に文句を言い続ける。この理不尽さに心が折れそうになります。
親の介護あるあるを笑いに変えて前向きに:まとめ
親の介護あるあるを読んで「わかる!」と思った方も多いのではないでしょうか。
同じ話の繰り返し、探し物騒動、デイサービス拒否。兄弟の温度差、周囲の無理解、親戚の口出し。そして自分自身の心と体の変化。これらは全て、介護をする人が通る道です。
辛いことも悲しいことも、同じ経験をしている仲間がいる。一人じゃないと知るだけで、少し心が軽くなります。
時には笑い飛ばすことも必要です。「あるある」と共感し合うことで、明日への活力が生まれます。完璧な介護なんてない、みんな試行錯誤の毎日なのです。
介護生活には笑える瞬間もあります。親の意外な一面を発見したり、思わず吹き出すような珍事件が起きたり。その瞬間を大切にしてください。
今日も介護お疲れさまでした。明日もきっと「あるある」な一日になるでしょう。でもそれでいいんです。





