老健から特養に移る方法。手続きと成功のポイント

介護方法と支援

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「父が老健に入所しているけれど、そろそろ期限が近づいてきた」「在宅復帰は難しいから、特養に移りたい」

老健から特養への移行は、多くの家族が直面する大きな課題です。老健は在宅復帰を目的とした一時的な施設であるため、原則3〜6ヶ月ごとに退所審査があります。在宅復帰が困難な場合、次の住まいとして特養を検討される方が非常に多いのです。

この記事では、老健から特養に移るための具体的な手続きの流れ、必要な書類、待機期間を短縮する方法、優先順位を上げるポイントまで、実践的な情報を詳しく解説します。ケアマネジャーとの連携方法や、移行時の注意点もお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。

老健から特養に移る基本的な流れ

老健から特養への移行は、計画的に進める必要があります。まずは全体の流れを把握しておきましょう。

老健から特養に移るステップ1:ケアマネジャーに相談する

老健から特養への移行を検討し始めたら、まず老健にいる本人の担当ケアマネジャー(または在宅時の担当)に相談しましょう。ケアマネジャーは、希望に合う特養の情報提供や申込書類の準備をサポートしてくれます。

地域によっては「地域包括支援センター」が窓口となる場合もあります。ケアマネジャーは移動先の特養との橋渡し役を果たし、必要な書類の準備や手続きのサポートを行ってくれるため、早めの相談が重要です。

ケアマネジャーに相談する際のポイント
・現在の身体状況と今後の見通し
・家族の介護体制と在宅復帰の可能性
・希望する特養の条件(立地、費用、設備など)
・老健の退所予定時期

老健から特養に移るステップ2:特養の情報収集と見学

特養によって必要書類や受付窓口が異なるため、1施設ごとに確認が必要です。ケアマネジャーや地域包括支援センターのサポートを受けると、効率的に情報を収集できます。

また、移動前に新しい施設での入所面接や見学も必要です。実際に施設を訪問し、雰囲気やスタッフの対応、設備などを確認しておくことで、入所後のミスマッチを防げます。

特養選びのチェックポイント
・待機者数と平均待機期間
・医療体制(看護師の配置、協力医療機関)
・居室タイプ(個室、多床室、ユニット型)
・月額費用の総額
・立地とアクセス(家族の訪問しやすさ)

ステップ3:申込書類の準備と提出

特養の申し込みには、以下のような書類が一般的に必要です。

主な必要書類
・入所申込書(施設指定の様式)
・介護保険証のコピー
・介護認定通知書のコピー
・主治医意見書(または診療情報提供書)
・健康診断書(施設によっては不要)
・介護認定調査票の写し(市町村で発行)
・本人確認書類のコピー

申込書類の中で特に重要なのが「入所申込理由欄」です。この欄に、在宅介護での問題や困っていることをできるだけ詳細に書くことで、特養に入る必要性が高いと施設に判断してもらいやすくなります。

申込理由欄の書き方のコツ
「自宅での生活が困難な理由」「なぜ入所しないといけないのか」を具体的に記載します。本人の状態はもちろん、介護する家族の苦労も書くことで、より緊急性の高さが伝わり優先順位が上がる可能性があります。

老健から特養に移る際の待機期間

特養は申し込めばすぐに入れる施設ではなく、申請・選考・待機のプロセスを踏む必要があります。待機期間について正しく理解しておきましょう。

平均待機期間は3ヶ月〜数年

特養の待機期間には幅があり、入居までに3ヶ月以上はかかると考えた方がよいでしょう。地域や施設によっては、2〜3年待つケースも珍しくありません。

2022年4月時点における特養の待機者数は全国で約27万5,000人います。特養は終身利用する方が多く、入所期間が3年以上の入所者は全体の38.3%です。3ヶ月ごとに退去が判断される老健とは異なり、1人当たりの入所期間が長いため空室が出にくく、待機期間も長くなってしまうのです。

待機期間が長い理由
・費用が安く人気が高い
・終身利用が可能
・入所者の平均在所期間が長い
・地域によっては施設数が不足
・介護人材の不足により受け入れ体制に限界

待機期間中の過ごし方

老健の滞在期限が迫っているのに特養の空きが出ない場合、いくつかの選択肢があります。

待機期間中の主な選択肢

【老健での継続】
入所継続判定会議で退所の時期ではないと判断されれば、継続可能な場合もあります。ただし、終身入所を目的とした施設ではないため、いずれは退所が必要です。

【老健から老健への移動】
別の老健に移動することも可能ですが、入所期間は同じであるため、生活環境の変化がストレスになる可能性があります。

【有料老人ホームへの一時入所】
特養の入所待ちの間だけ有料老人ホームなどの民間施設に入居するケースは珍しくありません。民間施設は待機時間が短いため、比較的早く入居できます。

【ショートステイの活用】
30日間までの連続利用が可能です。30日間利用して一度帰宅し、再度ショートステイの利用を繰り返すことで、特養の空きを待つこともできます。

【老健から特養への移行、待機期間が長くて不安…】

「老健の退所期限が迫っているのに、特養の空きが出ない」
「待機中の介護負担をどうやって乗り切ればいいのか」

老健から特養への移行は、タイミングの調整が非常に難しい判断です。
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老健から特養に移る優先順位を上げる方法

特養の入居判定は申し込み順ではなく、緊急性を考慮して決定されます。優先順位を上げるための具体的な方法を見ていきましょう。

入所優先順位の判定基準

特養に入所する順番は先着順ではなく、それぞれの施設で毎月行われる「入所判定委員会」で話し合って決められます。要介護度や認知症の影響、介護者の状況などを点数化し、合計点数の高い人から「入所の必要性が高い人」として、順に入所することができます。

主な判定基準項目
・要介護度(配点が高い)
・認知症の程度と不適応行動の有無
・介護者の状況(高齢、病気、就業など)
・在宅介護の困難度
・介護サービスの利用状況
・虐待や介護放棄のリスク
・独居または高齢者のみ世帯
・住環境の問題

介護者による虐待や介護放棄など入所希望者の生命や身体に危険がある場合は、点数に関わらず優先的に入所できるように決められています。

複数の特養に同時申込する

特養は複数の施設に同時に申し込みができます。いつ、どの施設に空きが出るかはわからないため、複数の特養に登録しておく方法が有効です。特に都市部など、入居待機者が多いエリアに住む方には重要な戦略となります。

1つの施設に絞るよりも空床の情報が入りやすくなり、入居の可能性が高まります。なお、特養への入所が決まった場合は、登録済みの他の施設へ申請取り下げの旨を忘れずに連絡してください。

複数申込のメリット
・入居できるチャンスが増える
・地域や施設による待機期間の差を活用できる
・条件の良い施設を選択できる
・待機期間を短縮できる可能性が高まる

状況の変化を随時報告する

待機期間中も、要介護度や家庭環境などは変わります。申し込み後は入所決定まで放置する方が多いですが、変化があった場合は報告すると優先順位が上がる可能性があります。

報告すべき状況の変化
・要介護度が上がった
・認知症の症状が悪化した
・病状の悪化により医療ケアが必要になった
・介護を担っていた家族が病気になった
・介護者が高齢化した
・介護者が就業した(介護離職を防ぐため優先される)
・独居になった
・虐待や介護放棄のリスクが生じた

入所優先順位を決定する判定会議の頻度は、施設によって異なります。月に1回など判定会議の頻度が多い施設であれば、報告内容が優先順位にすぐに反映される場合もあります。

ショートステイを積極的に利用する

特養のショートステイの連続利用により、空きが出た場合に優先して入所できる可能性が上がります。施設の職員にとって、まったく知らない方よりも身体状態や家庭の事情を把握している人の方が受け入れしやすいためです。

また、顔を覚えてもらい話をすることで、介護者の負担や入所の必要性がリアルに伝わり、入所優先順位を上げてもらいやすくなることもあります。

入所希望の対象地域を広げる

特別養護老人ホームは、居住地以外の施設へも入居可能です。入所待機者の数は施設や地域によって大きく異なります。対象とする地域を拡大することで、早く入所できる可能性が高まります。

近くの特養が空いていなくても、隣の市の特養では空室がある、なんてこともあるので、柔軟に考えて施設探しをすることが重要です。ただし、地域密着型特別養護老人ホームは、居住地の方しか申し込めないので注意しましょう。

地域を広げる際のポイント
市区町村や県をまたいで施設を探すと、入居待ちの少ない特養が見つかる可能性があります。ただし、家族の訪問しやすさも考慮する必要があるため、アクセスと待機期間のバランスを見極めることが大切です。

老健から特養に移る際の注意点

老健から特養への移行をスムーズに進めるために、注意すべきポイントを押さえておきましょう。

退所日と入所日の調整

老健の退所日と特養の入所日を調整することが重要です。空白期間が生じないよう、ケアマネジャーと密に連携を取りながらスケジュールを組みましょう。

特養から入所の連絡が来たら、できるだけ早く返事をする必要があります。返事が遅れると、他の待機者に順番が回ってしまう可能性があるためです。ケアマネジャーを通じて、老健の退所手続きと特養の入所手続きを同時進行で進めます。

医療情報の引き継ぎ

老健から特養への移行時には、医療情報の正確な引き継ぎが必要不可欠です。現在の服薬内容、既往歴、アレルギー情報、医療的ケアの内容などを、漏れなく新しい施設に伝えます。

引き継ぐべき医療情報
・現在の病名と治療状況
・服薬内容(薬の名前、用法用量)
・既往歴と手術歴
・アレルギー情報
・医療的ケアの内容(経管栄養、喀痰吸引など)
・主治医の連絡先
・緊急時の対応方法

住民票の取り扱い

特養に入居した場合、原則として住民票を特養の所在地に異動しなければなりません。ただし、住所地特例という制度により、介護保険は元の市町村のものを継続して利用できます。

もし住所変更を行わない場合は、介護保険関係や医療関係などの郵便物が施設に届くようにしておくと、事務処理がスムーズです。住民票の移動については、施設の相談員やケアマネジャーに確認しておきましょう。

本人の意思確認と心理的ケア

特養は長期間生活する場となるため、本人の希望や意思を尊重することが大切です。入所先の希望条件(部屋のタイプや環境など)も含め、本人が納得できる形で話し合いを進めましょう。

また、環境の変化は高齢者にとって大きなストレスとなります。新しい環境に慣れるまでの間、家族が積極的に訪問し、本人の様子を見守ることも重要です。入所後のケアプランの見直しも含めて、施設スタッフと密に連携を取りましょう。

老健から特養に移る:まとめと成功のポイント

老健から特養への移行は、計画的な準備と早めの行動が成功の鍵です。老健は在宅復帰を目的とした一時的な施設であるため、原則3〜6ヶ月ごとに退所審査があり、在宅復帰が困難な場合は次の住まいを確保する必要があります。

特養への移行を成功させるためには、老健の滞在中から余裕を持って動き出すことが重要です。待機期間は平均3ヶ月〜数年と幅があり、地域によっては長期間待つことも珍しくありません。

老健から特養に移る基本的な流れ

【ステップ1】ケアマネジャーに早めに相談
【ステップ2】複数の特養の情報収集と見学
【ステップ3】申込書類の準備と提出(申込理由欄を詳細に記載)
【ステップ4】待機期間中の状況変化を随時報告
【ステップ5】入所決定後の退所・入所手続きの調整
【ステップ6】医療情報の引き継ぎと住民票手続き

特養の入所優先順位は申し込み順ではなく、緊急性を総合的に判断して決定されます。優先順位を上げるためには、複数の特養に同時申込する、状況の変化を随時報告する、ショートステイを積極的に利用する、入所希望の対象地域を広げるといった戦略が有効です。

また、待機期間中は、老健での継続入所、老健から老健への移動、有料老人ホームへの一時入所、ショートステイの活用など、複数の選択肢を検討しておくことが大切です。特に、特養の入所待ちの間だけ有料老人ホームなどの民間施設に入居するケースは珍しくありません。

成功のための重要ポイント
・老健の滞在中から早めに動き出す
・ケアマネジャーと密に連携する
・複数の特養に同時申込する
・申込理由欄に具体的な状況を詳しく記載
・状況の変化を随時施設に報告する
・ショートステイで施設との関係を構築
・待機中の選択肢を複数用意しておく

老健から特養への移行は、多くのご家庭が直面する大きなライフイベントです。初めてのことが多く、不安や戸惑いもあるかもしれませんが、落ち着いて段階を踏めば必ず乗り越えられます。

介護は「急に決まることが多い」と言われますが、老健から特養への移行は少しでも早く情報収集や申し込みを始めることがスムーズな入所への鍵です。心配なことやわからないことがあれば、ケアマネジャーや地域包括支援センターなどの専門機関に遠慮なく相談しましょう。

コモちゃん
コモちゃん

老健から特養への移行は、早めの準備と計画的な行動が成功の鍵です。複数の選択肢を用意しながら、ケアマネジャーと連携して進めていきましょう。

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