「兄弟は何もしないのに、なぜ私ばかりが介護を…」
「結局、逃げた人が得をしている気がする」
「この理不尽さは、一体どうすればいいの」
そんな思いを抱えていませんか?

実は、「介護は逃げたもん勝ち」と感じている介護者は、あなただけではありません。多くの主介護者が同じ不公平感を抱えながら、それでも一人で頑張り続けています。
この記事では、なぜ「逃げたもん勝ち」という状況が生まれるのか、その理由を整理し、不公平な介護から抜け出すための具体的な方法をお伝えします。一人で抱え込まなくていい。一緒に、公平な介護を実現していきましょう。
介護で逃げたもん勝ちと感じる理由
「逃げたもん勝ち」という言葉が、介護の現場で使われるのには明確な理由があります。まずは、なぜこのような不公平感が生まれるのか、その背景を一緒に見ていきましょう。
兄弟姉妹間で負担が偏る現実

介護の負担が兄弟姉妹の中で平等に分かれることは、本当に少ないんですよね。多くの場合、誰か一人に介護の責任が集中してしまいます。
主介護者になりやすいのは、親と同居している長男や長女、独身で時間的余裕があると思われている人、親の近くに住んでいる人です。一度主介護者として関わり始めると、他の兄弟姉妹は「あの人がやってくれているから」と安心し、さらに距離を置くようになります。
他の兄弟姉妹は「仕事が忙しい」「子育て中で余裕がない」「遠方に住んでいる」など、様々な理由を挙げて介護から距離を置きます。これらの理由自体は正当かもしれませんが、結果として一人だけが全ての負担を背負う構図が生まれてしまうんです。
このような状況では、主介護者が「なぜ私だけが」「他の人は楽をしている」と感じるのは当然のことなんです。
責任感が強い人ほど抱え込んでしまう

「逃げたもん勝ち」という状況が生まれる背景には、責任感や常識の強さが関係しています。
真面目で責任感の強い人ほど、「親の面倒を見るのは子どもの務め」「自分しかいない」「放っておけない」という思いから、介護を引き受けてしまうんです。そして一度引き受けると、「途中で投げ出すわけにはいかない」という責任感から、さらに深く関わっていくことになります。
一方、責任感が薄い、あるいは自己防衛が上手な人は、最初から「自分には無理」「他の人がやってくれるだろう」と考え、積極的に距離を置きます。
このような状況では、「真面目に向き合った人が損をする」という不公平感が生まれるのは避けられません。
協力しない家族への怒りと孤独感

介護の負担が一人に集中する状況で最も辛いのは、協力が得られないことによる孤独感と、理解されないことへの怒りなんです。
主介護者は日々の介護で心身ともに疲弊していきますが、その苦労を家族に理解してもらえないことが多くあります。たまに顔を出す兄弟姉妹に状況を説明しても、「大変だね」と言葉だけの同情を示されるだけで、具体的な協力は得られません。
さらに辛いのは、協力しない家族が「自分も忙しい」「できることはやっている」と主張し、むしろ主介護者の訴えを「文句」として受け取る場合です。
また、介護を手伝わない兄弟姉妹が、たまに会った時だけ親に優しくし、親から「あの子は優しい」と評価されることもあります。毎日献身的に介護している自分は当たり前と思われ、たまに顔を見せるだけの兄弟姉妹が褒められる。このような理不尊な状況は、主介護者の心を深く傷つけます。

「なんで私ばかり」という思いは、決してわがままじゃないんです。真剣に介護に向き合っているからこそ感じる、正当な感情なんですよ。
介護から逃げた人と逃げなかった人のその後
「逃げたもん勝ち」という言葉は、一見すると介護を避けた人が得をしているように聞こえます。でも、実際にはそう単純ではないんです。双方にどのような影響があるのか、一緒に見ていきましょう。
逃げた側が抱える罪悪感と家族関係の悪化

介護から距離を置いた人が、全く何も感じていないわけではありません。多くの場合、何らかの形で心理的な代償を払っています。
介護に関わらなかった人の中には、親が亡くなった後に深い罪悪感に苛まれる人がいます。「あの時もっと関わっておけば良かった」「最期の時間を共有できなかった」という後悔は、一生消えることがありません。
また、介護を担った兄弟姉妹との関係が完全に破綻するケースも少なくないんです。親の葬儀で顔を合わせても口も聞かない、その後一切の交流が途絶えるという事例は珍しくありません。
さらに、自分自身が高齢になった時、介護が必要になった時に、誰も助けてくれないという状況に直面することもあります。
介護を担った人が直面する経済的・精神的負担

一方、介護を引き受けた人が背負う負担は、想像以上に重いものです。
経済的な負担は深刻です。介護のために仕事を辞める、労働時間を減らす、あるいは介護費用を自分の貯金から補填するなど、金銭的な犠牲は大きくなります。特に、介護期間が長期化すると、自分の老後資金まで使い果たしてしまうケースもあるんです。
精神的な負担も計り知れません。毎日の介護ストレス、先の見えない不安、兄弟姉妹への怒り、親への複雑な感情などが重なり、うつ病や適応障害を発症する人も少なくありません。
さらに、自分の人生設計が大きく狂ってしまいます。結婚や出産の機会を逃す、キャリアを諦める、趣味や友人関係を失うなど、介護によって犠牲にするものは計り知れないんです。
相続トラブルと兄弟姉妹の関係断絶

「逃げたもん勝ち」という感覚が最も強くなるのは、相続の場面なんです。
介護に一切関わらなかった兄弟姉妹が、相続では平等に権利を主張するケースは非常に多くあります。何年も親の介護に人生を捧げた人と、年に数回顔を見せただけの人が、同じ相続分を受け取る。この理不尽さに、多くの主介護者が怒りと絶望を感じます。
法律上、介護の貢献度は相続分に自動的に反映されません。「寄与分」という制度はありますが、認められるハードルは非常に高く、実際に介護の負担が相続に反映されることは稀です。
さらに悪質なケースでは、介護を全く手伝わなかった兄弟姉妹が、相続で不満を述べ、主介護者を責めることさえあります。
このような状況を見ると、「結局、介護から逃げた人が得をした」と感じてしまうのも無理はありません。
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逃げたもん勝ちにしないための具体的対策
「逃げたもん勝ち」という不公平な状況を防ぐためには、事前の準備と適切な対策が必要です。ここでは、具体的な方法をご紹介します。
早期の家族会議と役割分担の明確化

最も重要なのは、親が元気なうちに、家族全員で介護について話し合うことなんです。
介護が必要になってから慌てて話し合っても、すでに一人に負担が集中している状況では、公平な役割分担は困難です。親が比較的元気なうちに、将来の介護について全員で話し合い、それぞれの役割を明確にしておくことが重要なんです。
家族会議で決めておくべきこと
誰が主介護者になるのか。他の兄弟姉妹はどのように協力するのか。経済的な負担はどう分担するのか。介護サービスをどの程度利用するのか。施設入所の判断基準はどうするのか。相続について事前に話し合っておく。
特に重要なのは、「できない理由」ではなく「できること」を明確にすることです。遠方に住んでいる人は頻繁に来られなくても、経済的な支援はできるかもしれません。また、役割分担は文書化しておくことをお勧めします。
ケアマネージャーや第三者を交えた話し合い

家族だけでの話し合いでは、感情的になったり、力関係によって公平な議論ができないことがあります。そんな時は、ケアマネージャーや地域包括支援センターの職員など、第三者を交えた話し合いが効果的です。
専門家が入ることで、介護の実態や必要な負担が客観的に示されます。「毎日これだけの介護が必要です」「このままでは主介護者が倒れてしまいます」といった事実が、専門家の口から伝えられることで、他の家族も現実を理解しやすくなります。
また、ケアマネージャーは様々な家族のケースを見てきているため、公平な役割分担の方法や、トラブルを避けるためのアドバイスをしてくれます。
特に、兄弟姉妹間の関係が既に悪化している場合や、一部の家族が話し合いを避けようとしている場合は、第三者の介入が不可欠です。
金銭負担の分担と介護サービスの活用

直接的な介護が難しい家族には、金銭的な負担を求めることも一つの方法です。
介護にはお金がかかります。介護サービスの利用料、医療費、おむつなどの消耗品、住宅改修費用など、様々な出費が発生します。主介護者がこれらの費用を全て負担しているなら、それは明らかに不公平なんです。
介護に直接関われない兄弟姉妹には、せめて金銭的な協力を求めましょう。親の年金だけでは足りない分を兄弟姉妹で分担する、介護サービスの利用料を負担してもらう、主介護者への謝礼金を出し合うなど、様々な方法があります。
また、お金があれば介護サービスを充実させることができます。デイサービス、ショートステイ、訪問介護などを活用することで、主介護者の負担を大幅に軽減できます。
金銭的な協力が得られれば、「時間は出せないけどお金は出している」という形で、他の家族も介護に関わっているという意識が生まれます。
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介護から逃げ出したいと感じた時の対処法
「逃げたもん勝ち」という言葉の裏には、「自分も逃げ出したい」という切実な思いがあるかもしれません。その感情は決して恥ずかしいものではありません。
逃げたいという気持ちを認める大切さ

介護をしていて「もう逃げ出したい」「全てを投げ出したい」と感じることは、とても自然で正常な感情なんです。
多くの介護者が、こうした気持ちを持つことに罪悪感を感じています。「親を見捨てたいと思うなんて」「こんなことを考える自分は最低だ」と自分を責めてしまうんですよね。
しかし、「逃げたい」と思うのは、あなたが限界に達しているサインです。心と体が「これ以上は無理だ」と悲鳴を上げているんです。この感情を無視して頑張り続けると、いずれ本当に倒れてしまいます。
まずは、自分の正直な気持ちを認めましょう。「逃げたい」と思っている自分を責めないでください。
地域包括支援センターへの相談

「逃げ出したい」と感じたら、すぐに地域包括支援センターに相談してください。
地域包括支援センターは、高齢者とその家族の総合相談窓口です。介護の悩み、家族関係のトラブル、経済的な問題など、あらゆる相談に乗ってくれます。
特に重要なのは、あなたの状況を客観的に評価してくれることなんです。「このままでは介護者が倒れてしまう」と判断されれば、緊急でサービスを手配してくれたり、施設入所の手続きを進めてくれたりします。
地域包括支援センターでできること
介護保険サービスの紹介と手配。緊急時のショートステイなどの手配。家族間の調整。経済的支援制度の案内。施設入所の相談。心理的なサポート。
また、地域包括支援センターは、家族全員を集めての話し合いにも協力してくれます。相談は無料で、匿名でも可能です。「こんなことで相談していいのかな」と遠慮する必要はありません。
ココマモで介護の悩みを相談できます
オンライン相談サービス「ココマモ」では、介護に関する様々な悩みを相談できます。初回20分の無料相談もありますので、まずは気軽に相談してみてください。

一時的な休息とレスパイトケアの利用

「逃げたい」と感じたら、まずは一時的に介護から離れる時間を作りましょう。
レスパイトケアとは、介護者が一時的に休息を取るためのサービスです。ショートステイやデイサービスを利用して、親を一時的に預けることで、介護者は心身を休めることができます。
「親を施設に預けるなんて」と罪悪感を持つ必要はありません。介護者が倒れてしまったら、結局誰も介護できなくなってしまいます。定期的に休息を取ることは、長期的に介護を続けるために必要なことなんです。
ショートステイは、緊急時には即日利用できる場合もあります。「もう限界だ」と感じたら、ケアマネージャーに相談して、すぐに利用できるか確認してください。

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介護の逃げたもん勝ちを防ぐ。まとめ
「介護は逃げたもん勝ち」という言葉は、現実に多くの介護現場で起きている不公平さを表しています。主介護者だけに負担が集中し、他の家族は様々な理由をつけて距離を置く。この構図は、残念ながら珍しいものではありません。

しかし、この不公平な状況は、適切な対策によって改善できます。最も重要なのは、親が元気なうちに家族全員で介護について話し合い、役割分担を明確にしておくことです。また、ケアマネージャーや地域包括支援センターなどの第三者を交えた話し合いも効果的なんです。
介護を避けた人が全く代償を払わないわけではありません。罪悪感、家族との関係悪化、将来的な孤立など、目に見えない形で苦しむこともあります。一方、介護を担った人の負担は計り知れませんが、それを一人で背負う必要はないんです。
「逃げたい」と感じたら、それは限界のサインです。自分を責めず、すぐに専門家に相談してください。地域包括支援センター、ケアマネージャー、オンライン相談サービスなど、助けを求められる場所はたくさんあります。
介護は、一人の人間が全てを背負うべきものではありません。家族で分担し、社会のサポートを活用し、時には専門家の助けを借りながら、みんなで支えていくものなんです。
「なぜ自分ばかり」という思いを抱えながら一人で頑張り続けるのではなく、声を上げ、助けを求め、公平な負担分担を実現する。それが、「逃げたもん勝ち」という不公平な状況を変える第一歩なのです。
あなたは一人ではありません。
同じような状況で苦しんでいる人は数多くいますし、サポートしてくれる専門家も存在します。
勇気を持って、一歩を踏み出してみてください。
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