「要介護1でデイサービスは週何回利用できるの?」「回数制限はあるの?」「費用はどのくらいかかる?」
要介護1と認定されてデイサービスの利用を検討している方にとって、利用回数は重要な関心事です。適切な回数で利用することで、利用者の状態改善や家族の負担軽減につながりますが、制度の仕組みや費用について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、要介護1デイサービス回数について詳しく解説します。制度上の制限、実際の利用状況、費用の仕組み、回数を決める際のポイントまで、わかりやすくお伝えします。あなたの状況に最適な利用回数を見つけるための参考にしてください。
要介護1デイサービス回数の制度上の基本ルール
要介護1の方がデイサービスを利用する際の回数について、まず制度上の基本的なルールを理解しましょう。
法律上の回数制限はなし。支給限度額が上限

要介護1デイサービス回数には、法律上の明確な回数制限は設けられていません。つまり、制度的には週5回以上の利用も可能です。ただし、実際の利用は介護保険の「区分支給限度額」という仕組みによって制限されます。
要介護1の方の区分支給限度額は月16,765単位(地域によって1単位の金額は異なりますが、1単位約10~11.4円)となっています。この限度額の範囲内であれば、デイサービス以外の介護サービスも含めて自由に組み合わせて利用することができます。
デイサービスを1回利用するのに必要な単位数は、利用時間や提供されるサービス内容によって決まります。一般的な7~9時間のデイサービスでは、要介護1の場合1回あたり約655単位が基本となります。
要介護1デイサービス回数の実際の平均利用状況

制度上は多くの回数を利用できる要介護1デイサービス回数ですが、実際の利用状況はどうなっているのでしょうか。
平成27年(2015年)の厚生労働省のデータによると、要介護1の方の平均的なデイサービス利用回数は月約9.7回となっています。これは週に換算すると約2~2.5回程度の利用となります。
最も多い利用パターンは週1~2回で、多くの要介護1の方がこの範囲で利用しています。週3回以上利用する方もいますが、全体から見ると少数派となっています。
利用回数が比較的少ない理由として、以下の要因が考えられます:
1. 要介護1は軽度であり、まだ自立度が高い
2. 家族介護力がある場合が多い
3. 他の介護サービスとの組み合わせを重視
4. 費用負担への配慮
5. 施設の空き状況による制約
他の介護度との回数比較

要介護1デイサービス回数を他の介護度と比較してみると、介護度が上がるにつれて利用回数も増加する傾向があります。
介護度別デイサービス平均利用回数
・要介護1:月約9.7回(週2~2.5回)
・要介護2:月約11.5回(週2.5~3回)
・要介護3:月約13.8回(週3~3.5回)
・要介護4:月約15.2回(週3.5~4回)
・要介護5:月約16.1回(週4回程度)
このデータから分かるように、要介護1は比較的軽度な介護度のため、他の介護度と比較して利用回数は少なめとなっています。しかし、必要に応じて回数を増やすことは十分可能です。
要介護1デイサービス回数と費用の詳しい関係
要介護1デイサービス回数を決める上で、費用は重要な検討要素です。利用回数と費用の関係を詳しく見ていきましょう。
1回あたりの基本費用と加算の仕組み

要介護1デイサービス回数を計画する際は、1回あたりの費用を正確に把握することが重要です。
基本料金(自己負担1割の場合)
・7~9時間未満の利用:655円
・3~5時間未満の利用:408円
・5~7時間未満の利用:481円
これに加えて、提供されるサービスに応じて各種加算が発生します:
主な加算項目
・入浴介助加算:50円
・個別機能訓練加算Ⅰ:56円
・個別機能訓練加算Ⅱ:20円
・栄養改善加算:200円
・口腔機能向上加算:150円
・生活相談員配置加算:13円
実際のデイサービスでは、入浴介助と個別機能訓練が含まれることが多いため、1回あたり約760円程度(自己負担1割)が目安となります。
支給限度額を超えた場合の自己負担

要介護1デイサービス回数を多く利用したい場合、支給限度額を超える可能性があります。限度額を超えた分は全額自己負担となるため、注意が必要です。
要介護1の支給限度額16,765単位を1単位11円(都市部)で計算すると、月額約18万4千円となります。デイサービスのみを利用する場合の回数別の費用は以下の通りです:
回数別月額費用(自己負担1割の場合)
・週2回(月8回):約6,680円
・週3回(月12回):約10,020円
・週4回(月16回):約13,360円
・週5回(月20回):約16,700円
・週6回(月24回):約20,040円(限度額超過分あり)
週5回(月20回)程度までは支給限度額内で利用できますが、それ以上になると超過分の自己負担が発生します。また、他の介護サービス(訪問介護、福祉用具レンタルなど)を併用する場合は、その分限度額が減るため、デイサービスの利用回数も調整が必要です。
費用負担軽減制度の活用

要介護1デイサービス回数を増やしたいが費用が心配な場合は、各種負担軽減制度を活用しましょう。
高額介護サービス費
月額の自己負担が一定額を超えた場合、超過分が払い戻されます。一般的な所得の世帯では月額44,400円、住民税非課税世帯では24,600円または15,000円が上限となります。
社会福祉法人等利用者負担軽減制度
低所得の方を対象に、社会福祉法人が運営するデイサービスの利用料が最大25%軽減される制度です。
食費の負担軽減
住民税非課税世帯の方は、負担限度額認定を受けることで食費が軽減されます(1食390円まで軽減)。
これらの制度を適切に活用することで、要介護1デイサービス回数を増やしても経済的負担を軽減できる場合があります。
要介護1デイサービス回数を決める際の重要ポイント
適切な要介護1デイサービス回数を決めるためには、様々な要素を総合的に検討する必要があります。重要なポイントを詳しく解説します。
利用者の身体状況と生活パターンによる判断

要介護1デイサービス回数を決める最も重要な要素は、利用者本人の身体状況と生活パターンです。
身体機能に応じた回数設定
・歩行が安定している方:週1~2回の社会交流中心
・歩行にふらつきがある方:週2~3回の機能訓練重視
・認知機能の低下がある方:週2~4回の規則的な刺激提供
・複数の慢性疾患がある方:週3~4回の健康管理も含めた支援
生活リズムと家庭環境の考慮
一人暮らしの方は社会交流の機会として週3~4回の利用が効果的な場合があります。家族と同居している方は、家族の介護負担軽減を考慮して週2~3回程度から始めることが多いです。
また、利用者本人の性格や好みも重要です。社交的で活動的な方は回数を多めに、静かに過ごすことを好む方は適度な回数で質の高いサービスを選択することが大切です。
家族の介護負担軽減を考慮した回数計画

要介護1デイサービス回数を決定する際は、家族の介護負担軽減も重要な検討要素です。
家族の就労状況に応じた回数設定
・フルタイムで働く家族がいる場合:週3~5回
・パートタイムで働く家族がいる場合:週2~3回
・専業で介護する家族がいる場合:週1~2回
・家族も高齢(老老介護)の場合:週3~4回
介護ストレスの軽減効果
定期的なデイサービス利用により、家族は以下のメリットを得ることができます:
1. 身体的な休息時間の確保
2. 精神的なリフレッシュの機会
3. 自分の用事や趣味の時間
4. 他の家族との時間
5. 仕事に集中できる環境
ただし、利用回数を増やしすぎると、利用者が家族との時間が少なくなることを寂しく感じる場合もあります。利用者と家族のバランスを考慮した回数設定が重要です。
他の介護サービスとの組み合わせ最適化

要介護1デイサービス回数は、他の介護サービスとの組み合わせを考慮して決める必要があります。
よくあるサービス組み合わせパターン
パターン1:デイサービス週2回+訪問介護週1回
パターン2:デイサービス週3回+福祉用具レンタル
パターン3:デイサービス週1回+デイケア週2回
パターン4:デイサービス週4回のみ
各パターンの支給限度額使用率は以下の通りです:
・パターン1:約75%使用
・パターン2:約80%使用
・パターン3:約85%使用
・パターン4:約95%使用
支給限度額に余裕を残しておくことで、体調変化や状況変化に応じた柔軟なサービス調整が可能になります。
要介護1デイサービス回数の段階的な調整方法
要介護1デイサービス回数は、最初から最適な回数を決めるのではなく、段階的に調整していくことが重要です。効果的な調整方法について解説します。
初回利用から適正回数発見までのステップ

要介護1デイサービス回数の適正化は、以下のステップで進めることをおすすめします。
ステップ1:体験利用(1~2回)
まず1~2回の体験利用で、利用者の反応や施設の雰囲気を確認します。この段階では利用者の適応性や興味関心を把握することが重要です。
ステップ2:週1回から開始
本格的な利用は週1回から開始し、1ヶ月程度継続します。利用者の体調変化、家族の感じる効果、施設スタッフからの報告を総合的に評価します。
ステップ3:段階的な回数増加
週1回で効果が確認できれば、必要に応じて週2回、週3回と段階的に増やしていきます。回数を増やすたびに1ヶ月程度の評価期間を設けることが大切です。
ステップ4:最適回数の確定
利用者の状態安定、家族の満足度、費用対効果などを総合的に判断して、最適な回数を確定します。
利用効果の評価と回数見直しのタイミング

要介護1デイサービス回数の適正性は、定期的に評価し見直すことが重要です。
評価すべき項目
1. 身体機能の変化:歩行能力、筋力、バランス能力の変化
2. 認知機能の変化:記憶力、判断力、意欲の変化
3. 生活の質(QOL):表情、活動量、睡眠の質の変化
4. 社会性の変化:他者とのコミュニケーション、協調性
5. 家族の負担感:介護ストレス、自由時間の確保
見直しのタイミング
・利用開始から3ヶ月後
・要介護認定の更新時期
・利用者の体調に大きな変化があった時
・家族状況に変化があった時
・施設からの提案があった時
評価の結果、現在の回数が過多または不足と判断された場合は、適切な調整を行います。回数を減らす場合も増やす場合も、急激な変更は避け、段階的に調整することが大切です。
季節や体調変化に応じた柔軟な対応

要介護1デイサービス回数は、季節や体調の変化に応じて柔軟に調整することも重要です。
季節に応じた回数調整
・夏季:熱中症予防のため回数増加を検討
・冬季:風邪やインフルエンザ予防のため一時的に回数減少も
・春・秋:外出しやすい季節のため活動量増加を目指す
・梅雨時期:室内活動の充実のため回数維持または増加
体調変化に応じた対応
・体調良好時:機能向上を目指して回数増加
・体調不安定時:無理せず回数減少または休止
・慢性疾患悪化時:医療との連携を強化し回数調整
・感染症流行時:感染リスクを考慮した回数調整
このような一時的な調整は、ケアマネジャーや施設と相談して柔軟に対応することが可能です。利用者の安全と健康を最優先に、適切な判断を行いましょう。

デイサービスの回数は固定的に考えず、利用者の状態や家族の状況に応じて柔軟に調整していくことが大切ですね。無理のない範囲で始めてみましょう。
ケアマネジャーとの連携による回数最適化
要介護1デイサービス回数を適切に決定し調整するためには、ケアマネジャーとの密接な連携が欠かせません。効果的な連携方法について解説します。
ケアプラン作成時の回数設定の重要性

ケアマネジャーは、要介護1デイサービス回数を含む総合的なケアプランを作成する専門職です。適切な回数設定のためには、以下の情報を詳しく伝えることが重要です。
ケアマネジャーに伝えるべき情報
1. 利用者の詳細な身体状況と日常生活の様子
2. 家族の介護負担感と希望
3. 経済的な状況と費用への考え方
4. 他に利用したい介護サービス
5. 将来への不安や目標
ケアマネジャーが検討する要素
・利用者のADL(日常生活動作)レベル
・認知機能の状況
・家族介護力の評価
・地域の社会資源の状況
・支給限度額の効率的な使用方法
・中長期的なケア方針
これらの情報をもとに、ケアマネジャーは最適な要介護1デイサービス回数を提案してくれます。提案された回数について疑問や要望がある場合は遠慮なく相談しましょう。
定期的なモニタリングと回数調整

ケアマネジャーは月1回以上の定期的なモニタリングを通じて、要介護1デイサービス回数の適正性を評価します。
モニタリングで確認される項目
・デイサービス利用時の様子と変化
・家族から見た効果や課題
・利用者本人の満足度
・他のサービスとの連携状況
・費用負担の状況
回数調整が検討される場面
・利用効果が十分に現れている場合:回数減少を検討
・利用効果が不十分な場合:回数増加を検討
・家族負担が軽減されていない場合:回数増加を検討
・費用負担が重い場合:回数減少やサービス変更を検討
・他のサービス追加時:バランス調整のため回数調整
モニタリングの結果、回数変更が必要と判断された場合は、ケアマネジャーが新しいケアプランを作成し、関係事業所との調整を行います。
多職種連携による総合的な支援体制

要介護1デイサービス回数の最適化には、ケアマネジャーを中心とした多職種連携が重要です。
連携する専門職
・主治医:健康状態の管理と医学的見解
・デイサービス相談員:利用時の様子と課題
・機能訓練指導員:身体機能の変化と訓練効果
・看護師:健康管理と医療的ケア
・栄養士:栄養状態と食事支援
・社会福祉士:生活全般の相談支援
連携による効果
1. 多角的な視点からの状況評価
2. 専門性を活かした具体的な支援
3. 各サービス間の情報共有と連携
4. 利用者・家族への統一した支援方針
5. 問題発生時の迅速な対応
定期的なサービス担当者会議では、各専門職が情報を共有し、要介護1デイサービス回数を含む総合的なケア方針について検討します。この会議には利用者・家族も参加し、意見や希望を伝えることができます。
専門家に相談することの重要性
要介護1デイサービス回数の決定は、利用者と家族にとって重要な選択です。適切な判断を行うためには、専門家のアドバイスを積極的に活用することが大切です。
複雑な状況での専門的な判断の必要性

要介護1デイサービス回数を決める際に、以下のような複雑な状況では特に専門家の助けが必要です
・複数の慢性疾患を抱えている場合
・認知症の症状が進行している場合
・家族の介護能力に制限がある場合
・経済的な制約が大きい場合
・他の介護サービスとの調整が必要な場合
・利用者本人が利用に消極的な場合
これらの状況では、単純に一般的な利用パターンを適用するだけでは不十分で、個別の事情を詳しく分析した上での専門的な判断が必要になります。
地域の介護サービス情報の活用

地域によってデイサービスの特色や空き状況は大きく異なります。地域の実情に詳しい専門家からの情報は非常に貴重です。
地域包括支援センターでは、以下のような情報を提供しています
・各デイサービス事業所の特色や空き状況
・利用しやすい曜日や時間帯
・送迎範囲や送迎時間
・特別な医療的ケアへの対応状況
・費用やサービス内容の比較情報
・利用者・家族からの評価や口コミ
このような詳細な情報をもとに、要介護1デイサービス回数だけでなく、どの事業所をどの曜日に利用するかといった具体的な計画を立てることができます。
オンライン相談サービスでの個別アドバイス

要介護1デイサービス回数について、「どのくらいの回数が適切なのかわからない」「費用が心配」「家族の負担をどう軽減すればよいか」といった悩みを抱える方も多いでしょう。
オンラインの相談サービス「ココマモ」では、このようなデイサービス回数に関する悩みを専門相談員に相談することができます。
専門相談員は以下のような相談に対応しています
1. 利用者の状態に応じた適切な回数設定のアドバイス
2. 費用負担を抑えながら効果的に利用する方法
3. 他のサービスとの組み合わせ最適化
4. ケアマネジャーとの相談方法
5. 回数変更のタイミングと手続き方法
初回20分の無料相談を利用して、現在の状況を整理し、最適な回数設定に向けた方針を立てることができます。夜の時間帯にも対応しているため、日中は介護で忙しい方でも利用しやすくなっています。
「回数設定に迷っている」「現在の利用回数が適切か不安」「費用対効果を向上させたい」といった場合は、専門家のサポートを受けることで、より安心できる選択ができるでしょう。
まとめ。要介護1デイサービス回数の適切な決め方
要介護1デイサービス回数について、この記事で解説したポイントを改めて整理しましょう。
制度上の基本ルールとして、法律上の回数制限はなく、支給限度額(月16,765単位)の範囲内で利用可能です。理論上は月20回以上の利用も可能ですが、実際には週1~2回(月8~12回)程度が一般的です。
費用の仕組みでは、基本料金655円に各種加算が追加され、1回あたり約760円(自己負担1割)が目安となります。支給限度額を超えた分は全額自己負担となるため、他のサービスとの組み合わせを考慮した計画が重要です。
回数決定のポイントとして、利用者の身体状況、生活パターン、家族の介護負担、他のサービスとの組み合わせを総合的に検討する必要があります。段階的に回数を調整し、定期的な評価を行うことが大切です。
要介護1デイサービス回数は、固定的に決めるものではなく、利用者の状態変化や家族の状況に応じて柔軟に調整していくことが重要です。無理のない範囲から始めて、効果を確認しながら最適な回数を見つけていきましょう。
適切な回数でデイサービスを利用することで、利用者の身体機能維持・向上、社会交流の促進、家族の介護負担軽減など、多くの効果が期待できます。ケアマネジャーや専門家と相談しながら、あなたの状況に最も適した利用計画を立ててください。
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